「勉強は、教科書を復習するより、問題を解く方が効果的だ、そうほのめかす論文が発表されました。米パデュー大学のカーピック博士らです。より専門的に説明すれば『入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが、脳回路への定着が良い』ということになります。

実験内容は、スワヒリ語40個の暗記で、4グループに分けました。
①40個を通しで学習、40個すべてを確認テストを繰り返し完璧に覚えるまでやります。
②確認テストでできないものだけ再学習、40個すべてを確認テストを繰り返し完璧に覚えるまでやります。
③確認テストは間違いだけだが、40個全部を学習、確認テストの間違いが0になるまでやります。
④確認テストは間違いだけだが、間違いだけ再学習、確認テストの間違いが0になるまでやります。

面白いことに、この4つのグループに習得の速さには差がありませんでした。実際、5~6回くり返すと、全員が40個すべてを覚えることができました。

そこでカーピック博士らは、1週間後の再テストを行うことにしました。さて、成績はどうだったでしょうか。グル―プ①②は約80点と好成績であったのに対し、③④はともに約35点しか取れませんでした。

私たちの脳は、情報を何度も入れ込むよりも、その情報を何度も使ってみることで、長期間安定して情報を保存することができるのです。これを拡大して解釈すれば、『参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できる』となります。」
池谷裕二「脳には妙なクセがある」2013扶桑社P.166-169

》入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが、脳回路への定着が良い《  結果はそれほど目新しいものではないが大事なことだ。さらに、自分の言葉、経験に結びつけることによってより効果的になる。他人とコミュニケーションできればもっといい。