桑原晃弥「スティーブ・ジョブズだったらこうするね!」2011あさ出版P.2-4より

スティーブ・ジョブズに私たちが惹かれるのは、なぜだろう? 

彼と同じように若くして成功した人なら数多くいる。同じように独創的な製品を出し続ける人もいないではない。私たちは、そんな成功者や天才をうらやみ、尊敬する。だが、どこか別世界の人のように感じてしまうのも確かだ。

しかし、ジョブズだけは不思議と身近な存在である。それはジョブズが解決してきた大小たくさんの「問題」と、私たちが人生で出会う「問題」との間に、多くの共通項があるからだ。

表面だけを見れば、ジョブズの解決法は、とてもまねができるようなものではない。常識破れのハードなやり方や、掟破りの発想が多く含まれる。だが、よく見ると、そこには「ハーイ、君は何のために働くんだい?」というジョブズの問いと答えが、常に通奏低音のように響いているのがわかる。

ジョブズは、なぜこれほどまでに多くの問題にぶつかり、しかも『いばらの道』を歩むような解決策を選ぶのか? それは、心の底からつくりたいものがあり、何が何でもそれを形にして、世界をより良くしたいからだ。その思いで働けば、問題は抑圧的な壁ではなく、越えればさらに上にあがれるステップになってしまう。

つまり問題を、次のステージへのステップとしてとらえ前向きに対処すると、ひたすら対応に追われるのではなく迎え撃つことができるようになる。そうなれば、今まで見えなかった新しい景色が見えてくるのだ。



《感想》ジョブズにとっては、『世界をよくするという使命』こそが、困難な問題に立ち向かうエネルギーになっている。その使命の前では、今、相手にしている問題なんて大したことはない、大丈夫、乗り越えられる。考え方ひとつで見え方が違ってくる。やる気が出てくる。元気になる!